橋梁定期点検業務について
1.橋梁点検の背景
高度成長期に一斉に建設された道路構造物が高齢化、老朽化する中にあって、平成24年12月の中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故を機に、本格的なメンテナンス体制の構築が叫ばれ、道路管理者に対して全数点検が義務化されました。
2.橋梁点検の目的
定期点検は、道路橋の各部材の状態を把握、診断し、当該道路橋に必要な措置を特定するために必要な情報を得るためのものであり、かつ、安全で円滑な交通の確保、沿道や第三者への被害の防止を図るため等の橋梁に係る維持管理を適切に行うために必要な情報を得ることを目的としています。
3.点検等における技術的基準
点検は、近接目視(必要に応じて触診や打音等の非破壊検査等を併用)により、5年に1回(供用後2年以内に初回を行い、2回目以降は原則として5年以内)の頻度で行うこととされており、その結果については、部材単位及び橋梁単位に次表に掲げる統一的な尺度に基づき、その健全度を診断することとされています。
区分 | 状態 | 基本的な考え方 | |
---|---|---|---|
Ⅰ | 健全 | 構造物の機能に支障が生じていない状態 | 監視や対策を行う必要のない状態をいう |
Ⅱ | 予防保全段階 | 構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態 | 状況に応じて、監視や対策を行うことが望ましい状態をいう |
Ⅲ | 早期措置段階 | 構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態 | 早期に監視や対策を行う必要がある状態をいう |
Ⅳ | 緊急措置段階 | 構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能性が著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態 | 緊急に対策を行う必要がある状態をいう |
4.美馬市の状況
本市では、平成26年度から平成30年度までの5年を事業期間とし、国、県が示す点検要領に基づき、市管理橋梁(574橋:橋長が2.0メートル以上)の全数点検を実施しています。
実施状況及び点検結果については、次のとおりです。
区分 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|
橋梁数 | 5 | 113 | 200 | 256 | 0 | 574 |
Ⅰ 健全 | 11 | 3 | 49 | 63 | ||
Ⅱ 予防保全段階 | 5 | 83 | 180 | 183 | 451 | |
Ⅲ 早期措置段階 | 19 | 17 | 24 | 60 | ||
Ⅳ 緊急措置段階 | 0 |
5.点検等に係る事務の流れ
点検及びその後の修繕に向けた事務の流れは、次のフロー図を基本に行います。